近年、ブロックチェーン技術を利用したゲームが誕生している。
2017年11月に世界初のブロックチェーンゲーム、クリプトキティーズ(CryptoKitties)がリリースされ、キャラクターの収集・交配というシンプルなゲーム性ながら、スマートコントラクトを使用したオープンでスムーズなユーザー同士の売買やキャラクターやアイテムがユーザーの資産として手元に残る点が世界中で注目を浴びた。これを境に、世界中でブロックチェーンゲームが開発され、著名なタイトルがリリースされてきている。

そして、昨年に日本で初めてのブロックチェーンゲーム『くりぷ豚(トン)』がリリースされた。

■くりぷ豚(トン)とは

日本初のブロックチェーン技術を使った豚の育成ゲームである。
ブロックチェーン上に生息するふしぎな生き物「くりぷトン」を配合し、様々な色・形などおよそ3京6,000兆通りにのぼるキャラクター達を収集出来る。

プレイヤーは仮想(暗号)通貨イーサリアムを用いて、それら「くりぷトン」を相互にトレードすることができる。育成した「くりぷトン」で他のオーナーとレースをしたり、競い合いあったりすることも可能だ。

■インタビュー

井上 和久氏(株式会社グットラックスリー 代表取締役社長)が未来メディアのインタビューに応じてくれた。

Q1.株式会社グットラックスリーについて教えてください。

ブロックチェーン×エンターテインメントをテーマに、世界中の人々の笑顔を繋げることを目標に事業をやらせていただいています。
2017年の夏からブロックチェーン事業を始動し、2018年からは完全にシフトして1年半ほど事業展開しています。

過去の実績の中で一番ヒットしたコンテンツは「さわって!ぐでたま」で、映像の分野ではアジアフォーカス上映作品「人生のメソッド」も制作しました。

Q2.ブロックチェーンゲームを作ろうと思ったきっかけを教えてください。

第二のIT革命と言われているように、ブロックチェーンは大きなイノベーションだと考えています。
我々が世界中の人々に喜んでもらおうと思ったときに、ブロックチェーン技術を取り込むことがそこに有効な手段だと思いました。

これまでのデジタルコンテンツは、ユーザーがコンテンツを購入しても完全に所有することは出来ず、サービスの終了と共に消滅していました。
ブロックチェーンゲームの場合は、遊んで育てたモノや購入したものがユーザーの資産として残すことが出来ます。それはインターネットが始まって以来の大きなイノベーションだと思っています。

通貨という歴史の中にビットコインが現れ暗号通貨が普及したように、デジタルコンテンツ、ゲームの歴史の中に暗号資産が誕生し、今まさに普及しようとしています。これらはグットラックスリーのビジョンに叶っていると考えました。

Q3.様々なキャラクターが考えられる中、なぜ豚を選んだのでしょうか。

普通に考えれば猫とか犬とかうさぎとか、そういったものが人気なのですが、
“くりぷとん“という響きや語呂の良さが可愛らしいと感じ、直観と感覚的に「豚」を選びました。

イノベーションが生まれる瞬間は論理を建てて生まれるものではなく、感性だと考えています。
かっこいいよね、可愛いよねといった感性がイノベーションを生み出すと思います。
今回はその感性を信じました。
結果的には、“くりぷとん”の名称とビジュアルのインパクトから口コミで広がりました。

「何故豚を選んだのか、というかは、豚が降りてきちゃいました。」と井上氏は強く語る。

Q4.様々な仮想通貨の中からEthereumを選んだ理由をお聞かせください。

開発開始当初において、DAppsを開発するに適した仮想通貨であったことと、Ethereumを持っている人が多いことの2点が理由です。
プラットフォームはその時々で最適なものを選ぶことが最善だと考えています
他に開発しているものもアプリに適切かつ、状況に合わせたプラットフォームで開発しています。

※DApps(自律分散型アプリケーション)…中央管理者が存在せず、不特定多数の者が自律的に行動した結果、全体のシステムが機能する自律分散型アプリケーションのこと

Q5.くりぷ豚をどのような方に遊んでもらいたいですか。

DAppsの素晴らしい所は、簡単に遊びながら資産を形成出来るところです。
我々が幼い頃は、遊ばずに勉強しなさいと言われてきました。しかし現在はeSports等が普及し、トップゲーマーがゲームで稼げる状況にあります。
ゲームは、開発者が時間とお金をかけて創っているから、その対価としてユーザーからお金を貰っています。しかしオンラインゲームは、コミュニケーションが主だとすると、実は、開発者とユーザーが一緒に作り上げている世界であり、そこで生み出された利益は、開発者だけでなく、その世界創りに貢献しているユーザーにも還元されて然るべきだというのは自然な発想だと思います。『オンラインゲームが好きで、そこで生活したい』っていう方に最適だと思います。

「むしろユーザーと一緒に「ゲーム」の世界を創っていきたい」と井上氏は語った。

Q6.今後の展望を教えてください。

「くりぷ豚」に関しては、アップデート開発により収集要素・資産性・ゲーム性を強化していく予定です。豚をプレゼントしたくなるような、逆に貰いたくなるような豚が出てきたらいいなと考えています。
インタビュー中に思い付きましたが、バレンタインデーやホワイトデーのように、くりぷ豚をあげる日が出来たらいいですね。
9月10日でくりぷ豚の日というのも覚えやすくていいですし、9月10日に向けて目指せ100万匹というのも面白いですね。

是非とも皆さんにはこの世界の中で生活して楽しんでもらいたいです。

私の妻は養豚業を営んでいまして、最近、養豚業を継ぎました。
妻の養豚場では年間10万頭出荷していて中堅規模の養豚業なのですが、豚3頭から始めて、その出荷数を実現するまで40年かかりました。
ブロックチェーンの凄いところは、リリースしてわずか半年で約5万匹の資産性を持ったデジタル豚が生まれ、既に現実を超えるペースで、繁殖をデジタルの中で実現していることです。

世界最大の養豚場はグットラックスリーと言われるように尽力したいと考えています。(笑)
これだけ聞くと何を目指しているのか分かりづらいですが、つまりは多くの人にとって資産性のあるデジタルアセットを所持している事が当たり前の世界にしていきたいですね。仕事と遊びの境界がなくなっていく、それがゲームの未来です。

■ブロックチェーンゲームがもたらすもの■

様々な技術革新が発生する時には、その発想の元になる何かしらの”要素”が存在している。
近年ブロックチェーン技術の「取引データの改ざんが困難である」と言った特徴を活かし、金融業界への応用が期待されている。しかしそもそもブロックチェーン技術が存在していなければ、この発想自体も生まれなかっただろう。
くりぷ豚がブロックチェーン技術を世に知らせ、技術革新から新たな発想の金字塔になる日も近いかもしれない。

【株式会社グッドラックスリー 会社概要】


・社名: 株式会社グッドラックスリー
・URL: https://www.gl-inc.jp/
・設立: 2013年2月
・事業所: 福岡県福岡市中央区天神3-14-31 天神リンデンビル2F
・事業内容: ブロックチェーンのプロダクト・サービス企画 / 開発 / 運営、スマートフォンゲーム、アプリの企画 / 開発 / 運営、映像芸能事業

■関連リンク

・株式会社グッドラックスリーURL:https://www.gl-inc.jp/
・くりぷ豚公式サイトURL:https://www.crypt-oink.io/
・上原ファームグループURL:http://www.ueharafarm.com/
・さわって!ぐでたま公式サイトURL:https://gudetama-gl3.gl-inc.jp/